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ART

2025年6月24日

Sensing×ART×教育
「いのちの光を可視化するアート体験」

いのちの光を可視化するアート体験!テクノロジーが加速度的に進化し、世界を“知る”手段があふれる今。目に見えないものを感じ取り、聞こえない声に耳を澄ます。そんな深い感性こそが、これからの教育や社会により一層求められているのではないでしょうか。

T.B

今回で9回⽬の開催となります、デザイン教育シンポジウム#8。


ゲストには、ARu. inc代表でアーティストの松島 宏祐さんをお迎えして⾏われました。


★#8のゲストについては、こちらをご覧ください。

https://www.ochabi-institute.org/design-education-symposium-8


司会の岩崎コーチの呼びかけとともに、⽩いTシャツとジーンズの爽やかな姿で松島さんが登場。


続いてシンポジウムではお馴染み、OCHABI Institute研究員の服部亮(以下Ryo)が⼊場してまいります。


2⼈が壇上に並んだところで、いきなりRyoが「本⽇、失敗しました!」と⾔いました。


え?失敗とは・・・?



Ryoが上着を脱ぐと、⽩いTシャツ姿になりました。で、下はジーンズ。


2⼈が申し合わせた訳ではないのに、仲良しペアルックになったのです。


実際、仲のいい2⼈なので問題はないはずですが、いささか恥ずかしさがあるのは分かります。


なので思わず「失敗した!」という⾔葉も出てしまったのでしょうね。


光のアーティスト

今回のゲスト、松島さんの紹介タイム。


Ryoが松島さんは「光のアーティスト」という説明をし、隣の部屋を指差します。


真っ⿊なビニールシートで塞がれた⼊⼝。



「光」という⾔葉が出ましたが、あの隣の部屋できっと光を使って何かをやるんだろうな、と、ひとまずワクワク感を抱いてもらって、シンポジウムが進んでいきます。


敢えてこの段階では、松島さんを詳しくは紹介しません。


今回のシンポジウムを通して詳しく知っていくことになりますので、ここはネタバレなしで。



今回のテーマは「センシング」

話は、今回のテーマについての説明に移ります。


Ryoがホワイトボードに書きます。 「センシング Sensing」

「さて、“センシング”って何でしょう?」と参加者の皆さんに問いかけます。 マイクを⼦どもたちに向けますが、答えは「わかりません・・・」

そうですよね。難しいと思います。筆者もいきなりは答えが出てこない。

「じゃあ、“センス”って分かる?」再びの問いかけ。


ちょっと聞き慣れた⾔葉になりましたね。マイクを向けた⼦どもが答えます。



「その⼈が想像していること」

素敵すぎる回答に驚きました。


まさに「センス」とは、その⼈が感じていることです。 そんな答えが出たところで授業はスタートします。

皆が今、感じていること

「センス」に深く関わるのは「五感」。


「五感」ってどんな感覚のことか?を、参加者の子ども達に聞いてみます。


「視覚」「味覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」


皆さんさすが!しっかりと五感を答えてくださいました。


五感というものは何かを共有したところで、今回松島さんとRyoが伝えたいことを訴えかけます。


「⾒えないものが⾒えるようになる。聴こえないものが聴こえるようになる。など、“感じる⼒”というものを今回の授業では掘っていきたいと思います」


「さて、皆さんは今、何の⾳が聴こえますか?」


会場の皆さんに⽬を閉じてもらい、遠くの⾳を感じてもらう時間を15秒間取りました。


ほんのり聞こえる外の⼈の話し声。電⾞の⾳。空調の⾳・・・。



皆さん⾊々な⾳を感じた15秒間だったと思いますが、間も無く15秒経つかな、というタイミングでとても⾯⽩いことが起きました。


ちょうど皆んなが音を感じている時、うっすらと⼝笛の⾳が聴こえてきたのです。


⾳の⽅向に⽬を向けてみると、会場の外で⼝笛を吹きながらギャラリーに展⽰されている⽯膏デッサンを眺めている男性がいたのです。


タイミングもシチュエーションも抜群でしたが、仕込みでも何でもなく、本当に偶然の出来事で、参加者の皆さんもゲストの松島さんも⼤ウケでした。


盛り上がったし、和みました。⼝笛おじさん、ありがとうございます!笑


⼝笛おじさんでひとしきり盛り上がった後、


今度は「今、何が⾒えているか。逆に何が⾒えていないか」を聞いてみることに。 「空気が⾒えていない」という回答をもらえた時は、思わず「素晴らしい!」とRyoが⾔いました。


そして松島さんが「じゃあ、空気を感じることは出来てるかな?」と聞いてみました。


「⾵っぽいものを感じる」という回答。


これも素敵な答え。皆さん、本当に“センス”が良いなー!



「⿎動」を感じる体験

続いて、指で⽿を塞いでもらい、何が聴こえるかを聞いてみました。


「⼼臓の⾳が聴こえた」という⼦どもの答え。


⼤⼈にも聞いてみました。「⿎動が聴こえた」という回答。


待ってました!!「⿎動」というワード。


そのワードが出たところで、松島さんのアートの紹介がスタートしました。


Ryoが「松島さんは、『⿎動』というアートを開発した⼈なのです」と説明。



そして松島さんが⿇紐でつくられた球体を⼿に取り、参加者の皆さんに触れてもらいます。


そう、この球体のアイテムが「⿎動」を感じることの出来るアート作品なのです。


松島さんが会場の全員が体験出来るように、その作品を持って回ります。


この麻紐の球体は、鼓動と連動して振動します。(暗闇では、鼓動のリズムに合わせて光ります)


⾃分の⼼臓と他の⼈の⼼臓、その両⽅が感じられる作品。


体験した参加者の⽅々は、初めての感覚に驚いている⼈、不思議がっている⼈、嬉しそうな⼈など、反応は様々。


アート作品を通して「⿎動」を感じることなんて、滅多に出来る体験ではありませんね。


⼤勢が貴重な体験を出来た時間になりました。


松島さんがこの「⿎動」をアートにするきっかけとなったのは、奥様の妊娠中にお腹の中のお⼦さんの⼼⾳を聞いたことだったそうです。


「⿎動って、すごいな」と純粋に思われたのだそう。


⼈の⿎動を光のアートにした数々の作品を動画で⾒せていただきました。




そして松島さん、「今⽇、これを後で皆さんにもやっていただきますからね」と語ります。


その⾔葉を聞くと、隣の部屋がどうなっているのか益々気になりますね。


もはや隣の部屋は間違いなく暗いということを参加者の皆さんが想像されていたことでしょう。


はい、そうなんです。正真正銘の真っ暗闇を隣の部屋につくりました。


蒸し暑い中、松島さんとartgymコーチ、そして筆者も加わって、汗だくになりながら⼀⽣懸命暗闇の部屋をつくりました。


ほんの少しの隙間でも光を通してしまうので、⿊ビニールやテープなどで塞ぎまくりました。


⼤変だったし暑かったし汚れまくったけど、楽しかったなぁ。




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