

2025年6月6日
アートを通じてモノの観方を学ぶ
OCHABI主催のデザイン 教育シンポジウム。第3回目のゲスト久保田巌さんと学ぶ、本物の名画を体験するワークショップ。子ども達に分かりやすく、リマスターアートの発明や美術教育の可能性について伝えてくれました。
T.B
本物以上のARTに触れる。
3回目の開催となるデザイン教育シンポジウム#2は、株式会社アルステクネ代表取締役社長 久保田巌さんをゲストにお招きしました。

今回、会場のOCHABI 1Fギャラリーには、書籍や映像でもよく目にする名画がたくさん展示されています。

司会 者が久保田さんの名前を呼び、会場に久保田さんが入場します。ピシッとスーツを着こなした、とてもダンディな雰囲気の方です。
久保田さんも、OCHABIで学んでいたOBの方なんですね。
今回のシンポジウムでは、久保田さんが開発した本物よりも、もっと本物のリマスターアートで名画鑑賞の面白さを体験しながら、「芸術」「美術教育」というものが、とてもたくさんの可能性を持っている、ということについて学んでいきます。

ARTを通じてモノの観方を学ぶ
はじめに「視座」「視野」「視点」という3つのキーコンセプトを紹介。
久保⽥さんの会社で⾏なっている最先端の技術によって、北斎の「⾚富⼠」や「⿊富⼠」がスーパーリアルに再現されたリマスターアートを⾒ながら、絵を⾒る時の⾓度や距離が違うと認識が変わるということをご説明いただきます。
今回この会場に展⽰された名画たちは全て、デジタルリマスターアートというレプリカだったのです。
近づいてルーペでじっくり⾒る、光を当ててタッチやキズ、⾊などを詳しく⾒る・・そういったことが美術館では出来ませんし、もちろん教科書に載っている写真では見ることが出来ません。
だけど久保田巌さんは、「そうやってじっくりと絵画を⾒ることは必要だ」という考えで、このデジタルリマスターアートを作る仕事を、世界で初めて!やり始めたのだそうです。 このリマスターアートを、「視座」「視野」「視点」を意識してしっかり観察してほしい、と参加者の皆さんに訴えかけます。
★リマスターアートについては、Think ART展の様子もご覧ください。
https://www.ochabi-institute.org/think-art
子どもの教育のためなら、身体を張って・・・
名画鑑賞の前に、まずは皆んなで「視座」「視野」「視点」について学びます。

北斎の富嶽三⼗六景シリーズの「⾚富⼠」と「⿊富⼠」のリマスターアートをスライドに映して、⾼い場所から⼭を⾒る視点と、低い場所から⾒る視点の違いや、視点を狭めたり広げたりすることで数々の発⾒が得られることを説明します。

そこで、「視座」「視野」「視点」を参加者の皆さんに体験してもらうべく、富⼠⼭に⾒たてたものを会場に⽤意することになりました。
富⼠⼭の役回りを任されたのは、OCHABI Institute研究員の⽂⽥聖⼆⽒。
⽂⽥⽒が両⼿を頭上で合わせて富⼠⼭になり、会場の後ろに⽴ちます。

その⽂⽥⽒を、⾊んな⾼さから⾒る=「視座」を変えてみる。
⾊んな距離で⾒る=「視野」を変えてみる。
⾊んな場所から⾒る=「視点」を変えてみる。

そして⽂⽥⽒、さらに⾝体を張ります。脚⽴に乗ってもらい、⾼い場所で富⼠⼭になってもらいます。
会場の皆さんは、当然ですが「⽂⽥富⼠」(関取の名前みたい)を⾒上げることになります。

そうやって「⽂⽥富⼠」を⾒上げて⾒た状態が「⾚富⼠」!

そして⾼いところに登って「⽂⽥富⼠ 」を⾒た時が「⿊富⼠」であることを皆さんに説明。
北斎の「⾚富⼠」と「⿊富⼠」が、どうして違った形に⾒えるのか。違った景⾊になるのか。それを⾮常にわかりやすい伝え⽅で説明いただきましたね。
⽂⽥さん、お疲れさまでした!
「モノの観方」の重要性がここで理解できたと思います。
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