

2025年6月17日
ロジカルデッサンの授業に潜入!
アートジムは、美術を学 びたい全ての人にcreativity(創造性)を身につけ自分を高めるプログラムを提供しています。独自のロジカルデッサンでは、絵を基礎から丁寧に学びながら、伝達力、観察力、表現力を身につけることが出来ます。
T.B
今回は、OCHABI artgymの授業に⼊り、内容をじっくりと拝⾒させてもらいました。
美⼤受験のクラスを指導した経験を持つ筆者ですが、そことはまるで違う世界をたくさん⾒る機会となり、⾊々と驚き、感⼼させられる場⾯がありました。

ロジカルデッサン:受講⽣の皆さんのレベルに驚く
開始時間30分前くらいから、かなりの受講⽣が⼊室されます。
「描きたい」衝動に駆られている様⼦で、⼊室早々、夢中で描きはじめる受講⽣の⽅がとても多くいらっしゃいます。
授業開始のチャイムが鳴ると、コーチ(2⼈)が挨拶。
そして本⽇の課題説明。
受講⽣の皆さんは、コーチの話をとても真剣に聞いていらっしゃいます。
説明を聞き終えた皆さんがデッサンを描き始めてからしばし、様⼦を静観。

拝⾒していてまず、受講⽣の皆さんの集中⼒に驚かされました。
途中、アトリエを出る⼈はおりません。
コーチが個々にレクチャーする時以外は、無⾔で描き続けています。
そしてレクチャーを聞く時の受講⽣は、⾮常に素直に教えを受けられている印象です。
わかりやすく、優しく教えるコーチの⼿腕もレベルがかなり⾼いと⾔えるでしょう。
受講⽣とコーチの信頼関係は厚い印象。コーチの⼈柄が重要となっています。
年配の受講⽣も、若いコーチのお話、教えを真⾯⽬に貪欲に聞いている様⼦が伺えます。
⼼の底から「絵が上⼿くなりたい!」という気持ちがあることが伝わってきます。
そして講評会の時間がやってきます。
講評会の雰囲気はとても良い。コーチの講評に対する受講⽣の反応が良いです。
コーチのコメント内容を100%受け⽌め、スキルアップに繋げようという強い姿勢が伺えます。

私が取材⽤の写真を撮っていて、ある受講⽣の⽅に⾔われたことがあります。
「⾃分が⾛っていたり、スポーツをしている姿はよく⼈に撮られていて⾒る機会は多いが、絵を描いている姿は⾒ることができない。撮られた⾃分を⾒るのを楽しみにしています」と。
けっこう年配の受講⽣の⽅お話でしたが、artgymでいかに気持ちよく創作が出来ているかが分かった瞬間でした。
気持ちよく描ける環境が整っているアトリエ
改めてアトリエを⾒回すと、とても清潔で綺麗で明るいことが分かりました。
気持ちよく描ける環境がしっかり整えられている。
上級、中級、初級それぞれ複数モチーフがセッティングされているのですが、
ある受講⽣は、ずべてのモチーフを⼀つの画⾯に描き、⼀枚絵でストーリーを作っている⼈もいらっしゃいました。
そのような自由な描き⽅ができるのは、artgymならでは!のことであると思いますが、その⽅は「描くことが本当に好きなのだ」ということが分かる場⾯でした。

モチーフが初級、中級、上級に分かれて設置されている中で、上級モチーフである⽯膏デッサンの⼈気がすごく⾼い。
⽯膏周りが隙間なく受講⽣が密集することが多いほど。
コーチのお話では、⽯膏デッサンをしていることで、ハイレベルなアーティストの気分になって気持ち良く描くことが出来ているのだという。
受験において⽯膏デッサンはストイックなところが多分にあるが、アートジムの採点など評価 が関係ない世界では、そういった感覚で描けるということなのでしょう。

筆者も久々に描いてみたくなった。このアトリエの環境なら、気持ちよく描けそう。
超集中!⼈物クロッキー授業の時間
お次は、⼈物クロッキーの授業にお邪魔しました。
椅⼦に座ったモデルさんを受講⽣の皆さんが描かれています。
1枚15分で⾏なうクロッキー。授業時間内でそれを幾度か繰り返します。
デッサンの授業とはまた違った雰囲気。独特の緊張感が伝わってきます。
短時間超集中、という創作スタイルが、その緊張感を⽣み出しているのです。

しかし受講⽣の皆さん、ただ緊張されているわけではありません。
アドレナリンが出まくっています。ゾーンに⼊られている、という感じです。
⽇常⽣活において、これほどの集中⼒を持って何かをすることって、なかなか無いのでは?と思うのです。
だからこそ、いい形でゾーンに⼊れるのでしょう。
そのような状況で描かれたクロッキー。
受講⽣の皆さんの作品それぞれが、とても味わい深い作品となっておりました。
さすがゾーンに⼊った状態のクロッキー!!
この短時間で描かれたクロッキーだけで、作品展が開そうです。

クロッキー1枚を描き終えた後、受講⽣の皆さんがぐるぐると回り、他の受講⽣の⽅々の作品を⾒る時間を設けております。
観察⼒、集中⼒、そして描写⼒が⼤きく関わってくる創作ですが、ハイレベルなクロッキー作品ばかりだった印象です。
あれほどの集中⼒を注いで描かれたクロッキー。どの作品にも魂が⼊っているからだと思います。
作品を⾒て回られる受講⽣の⽅々は、⼀喜⼀憂という感じではなく、「なるほど、なるほど」という納得の雰囲気。
きっとご⾃⾝にも⾃信が漲り、他の⽅々に対してもリスペクトがあるからなのでしょう。
このクロッキーの授業、きっとメンタル安定のトレーニングにもなっているはずです。

これもユニークな授業!「⼿」のクロッキー
⾃分の「⼿」をクロッキーする授業。
ただ「⼿」を観察して描くだけではありません。4つのフェーズをこなしていきます。

まず1つ⽬は、【画⾯を⾒ながら利き⼿で描く】です。時間は10分間。
これは通常の描き⽅になるので、ウォーミングアップ的な感じで描いていただきます。
そして2つ⽬。【画⾯を⾒ないで利き⼿で描く】です。こちらも10分間。
とにかく対象物をじっくりと⾒る、という描き⽅。
通常ならば画⾯と対象物を交互に⾒ることになるが、“⾒る”ことに重きを置いて描きます。
さぞやメチャクチャな絵になるのでは・・・と思いきや、皆さん、よーく「⼿」を⾒ることで結構しっかり形が取れています。

3つ⽬のフェーズ。
【画⾯を⾒ながら利き⼿ではない⼿で描く】です。時間は同じく10分間。
当然、とても不⾃由な状態で描きづらいです。
しかし不⾃由な分、慎重になります。観察も、鉛筆の動きも慎重に⾏わなければ描けません。
普段使わない感覚が鍛えられます。
こういう縛りの中で描くと、また違った視点で「⼿」を捉えることができるようになったりします。

そして4つ⽬。
【画⾯を⾒ながら利き⼿で描いて、陰をつける】です。ここで時間を20分間取ります。
慣れない不⾃由な条件下でのクロッキーをこなした受講⽣の皆さん。
通常の描き⽅でこなすクロッキーが、とてもスムーズな様⼦。
明らかにレベルが上がっています!


ただ描くのとは⼀味も⼆味も違う。
この4段階をこなして、短時間で素早く形、特徴を捉えるコツが⾝に付いた様⼦。 とても⾒応えのある⾯⽩い授業でした。 授業にお邪魔して様⼦をお伝えいたしましたが、受講⽣の皆さんのお声も今後はご紹介していこうと思います。
お楽しみに!!
.png)