

2025年6月24日
Sensing×ART×教育
「見えないものを感じ取り表現する」
い のちの光を可視化するアート体験!テクノロジーが加速度的に進化し、世界を“知る”手段があふれる今。目に見えないものを感じ取り、聞こえない声に耳を澄ます。そんな深い感性こそが、これからの教育や社会により一層求められているのではないでしょうか。
T.B
本当の真っ暗闇へご案内
いよいよ皆んなで光のアートを体験します。
松島さんが、隣の暗闇部屋へ移動する前に説明します。
「すっ・・・ごい暗いんです!」
この⼀⾔で、参加者の皆さん既にワクワクしている様⼦。
暗闇の準備をしながら、松島さんと筆者で再三交わした会話があります。
「暗闇って、最強っすよねー!」
全く光が⼊らない真の暗闇空間に⾝を投じると、普段は味わえない感覚に思わず楽しくなってきてしまうのです。
なので本気で何時間もかけて暗闇をつくったのでした。

参加者の皆さんが⼿を繋いで暗闇部屋へ移動します。
何しろな ーんにも⾒えない空間なので、⼩さなランタンを持ったコーチを先頭に、壁伝いに進んでいきました。
全員が⼊室したところで、いよいよ光の⿎動体験が始まります。
床には光の⿎動の元となる⼿のひらサイズの装置が数多く置いてあります。それを⼦どもたちが持つと、⿎動の「ドクンドクン」に合わせた光が暗闇の中を⾛ります。
そう、これが「いのちの光」です。
⿎動と連動したたくさんの光が暗闇の中を駆け巡る光景、とっても幻想的で綺麗でした。
暗いのでカメラに写すことが出来ず、お⾒せできないのは残念。
Aruさんのウェブサイトをご覧いただければ、だいぶ雰囲気は伝わるかと思います。
https://studio-aru.co.jp/project/globe-of-life

真っ暗闇のあたたかい空間
松島さんが「いのちの光」を両⼿で束ねて持ち上げます。
「これは何に⾒えるかな?」と皆さんに問います。
「銀河鉄道」「⼈々の希望の光」「アース」「宇宙」「星座」「透けている⼈」・・・
みんなすごいことを⾔ってくれました。
これには思わず松島さん、「すごいね!みんな!」とおっしゃってました。
暗闇の中で皆が不安にならないよう、怖がらないよう、優しく優しく松島さんが⼦どもたちに語りかけてきたので、そんな素敵な感想、イマジネーションワードをたくさんもらうことが出来たのです。
光のインスタレーションを幾度もやられてきた松島さん、参加者とこうして⼀体になる素晴らしい場をつくれるのは本当に凄い!さすがです!
筆者もこんな漆⿊の闇の中でこれほど癒されたのは初めてです。
そんな幻想的で美しく、あたたかい時間が過ぎ、参加者の皆さんが元の明るい会場に戻ります。
出⼊り⼝の⿊いビニールシートを めくって、⼀⼈⼀⼈戻ってきました。
皆さん、⼿のひらで⽬を覆うなどして、とても眩しそうでした。
ワークショップでつくる「⾔葉にならない○○○」
暗闇の中で、いのちの光=鼓動を感じる不思議な体験をして、何をどのように感じたのか、それを形にしていくワークショップが始まります。
初めての体験を⾔葉にすることは難しいです。
現に、⼦どもたちに「どうだった?」とインタビューしてもうまく⾔い表すことは出来ませんでした。
ですので、会場に⽤意した⾊画⽤紙や⾊鉛筆などたくさんの材料を使って、感じたことを形にしてもらいました。

Ryoがホワイトボードに書きました。
「⾔葉にならない○○○をつくる・描く」
今回のワークショップは、アーティスト体験に近いもの。
アーティストは⾔葉にならないことを「こうなんじゃないかな?」と思い、それを形にする。
そこで準備したテーマが「⾔葉にならない○○○をつくる・描く」です。
シンポジウムを担当しているコーチたちもアーティストでもあるので、ワークショップに参加しました。
コーチたちも参加者の皆さんも、⾃由に材料を選んで⾃由につくります。描きます。黙々と夢中で「⾔葉にならない○○○」を表現していきます。
この光景は毎回⾒るお馴染みの光景になってきました。
参加者の皆さん、つくることが本当に好きだということが毎回伝わってきます。
夢中になる⼈たちの姿って、⾒ていて気持ちが良いものですね。
“ With ART:伝え合う・響き合う”の時間
着々と作品がつくられていく中で、シンポジウムのスタッフが展⽰スペースを作ります。
今回は「つくる⼈」と「描く⼈」がいますので、壁に掛けるスペースと台に置くスペースを⽤意して、ミニギャラリーをつくりました。 掛けて作品を⾒せたい⼈、置いて作品を⾒せたい⼈がどんどんミニギャラリーに作品を持ってきて、あっという間に展⽰スペースは素敵な作品でいっぱいに
なりました。
そして展⽰スペースに参加者が集まり、「With ART」の始まりです。
「⾔葉にならない○○○をつくる・描く」というのがワークショップのテーマなだけに、斬新なフォルム、カラーリングの作品ばかりが揃い、ギャラリースペースとしてはすごく⾯⽩く⾒応えのある空間が出来ました。
松島さんが思わず⼩声で呟いたのを筆者は聞き逃しませんでした。
「サイコーっすね、もう・・・」
いやホントにサイコーでした。
「⾔葉にならない○○○」を表現した作品に、正解などありません。
とにかく形にしたことで素晴らしいアート作品として成⽴している。
どれもそんな作品ばかりだったと思います。

⼤事なのはタイトル=言語化
作品を披露する上で⼤事なのはタイトルです。
つくった皆さんにタイトルをつけてもらいました。 ⽭盾するようですが「⾔葉にならない○○○」の表現を⾔語化することも⼤切な学びとなります。

「発光するもの」「⿊には⿊」「街とそのカタチ」「電気⼈間」・・・素敵なタイトルがどんどん⽣まれました。
つくったその場でタイトルを考える。
もう、アタマフル回転です。
⾃分で⾔語化してタイトルをつけることで、その作品が地に⾜つくのです。

持ち帰ってもらう⾔葉
今回のデザイン教育シンポジウム#8、「センシング Sensing」という⾔葉を持ち帰っていただく会でした。
「センサーになる “ ⾃分が感じる能⼒ ” を信じて欲しい。感じる能⼒さえあればクリエイティブに繋げられる」
ということをRyoが強調し訴えかけました。
締めくくりに、松島さんが今回つくられた素晴らしいアート作品全てに対してのタイトルを考えていただきました。
「⽣命のその先へ。暗闇のその奥へ」
感動的なタイトルです。素敵すぎる!
貴重な体験と学びの時間をいただきました。 松島さん、ありがとうございました!

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