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Design

2025年6月2日

「デザインってなんだ?!」

OCHABI主催のデザイン教育シンポジウム。第1回目のゲスト佐藤卓さんが語る「デザインってなんだ?!」のお話。子ども達に分かりやすく、デザインの考え方、未来のデザインについて、大切なことを伝えてくれました。

T.B

「公教育にデザインという科目が当たり前になる未来を目指して」


デザイン教育シンポジウムが⽴ち上がってから、現在まで7回に渡り開催してきました。そしてまもなく#8を予定しており、以降も継続を予定しております。


そんなデザイン教育シンポジウム。どういう形でスタートを切ったのか。


きっかけは、OCHABI Institute 研究員の服部亮が、グラフィックデザイナーの佐藤卓さんの書籍を読み、「公教育にデザインという科⽬を⼊れたら、世の中は変わるのではないか」という⾔葉を⽬にし、佐藤卓さんと会おう!と考え、お会いしたことでした。


そこに⾄るまで教育に関する数多くの書籍を読んだのですが、どれもピンとくるものがなかったのだそうです。

服部亮が2年ほどかけ、佐藤卓さんと話を詰めていき、デザイン教育シンポジウム#0を開催する運びとなりました。

#0に登壇されるゲストスピーカーは、もちろん佐藤卓さん。


今やグラフィックデザインの第⼀⼈者でいらっしゃいますが、たくさんも、かつてはOCHABIで学んでおられたOBの⽅なのです。


Movie:#0のゲスト佐藤 卓さんをご紹介


#0 テーマは「デザインってなんだ?!」

長年にわたり創造性教育を研究し牽引してきたOCHABIとして、公教育にデザインという科目が当たり前にある未来を目指してスタートしたデザイン教育シンポジウム。


映えある第1回目の#0、佐藤 卓さんが基調講演で語られたテーマは、「デザインってなんだ?!」でした。


一見とてもシンプルに思えるテーマですが、デザインの重要性、私たちの⽣活とデザインとの関わりの深さをを説明してくださり、いかに我々の⽣活にとって「デザイン」というものが⼤切なテーマなのかを理解させられることとなりました。




まず、デザインというものは⽬に⾒えるものだけではなく、⽬に⾒えないデザインも⼭ほどある、ということ。


この#0が開催された時は暑い季節だったので、会場はエアコンで涼しくなっておりました。その状況を佐藤 卓さんが採り上げ、「空調の仕組み、エアーコンディションをする。それもデザインです」とおっしゃいました。


まさに、⽬に⾒えないデザインのことです。ただ、昔の考えは違っていたとのこと。⾞だったり椅⼦だったりテーブルだったり・・・⽬に⾒えるものとしてデザインというものが捉えられていました。



だけど今の世の中は、「目に⾒えないものもデザインだ」という考えにどんどんなっています。


「私たちが⽣活している環境を考えると、ありとあらゆるところにデザインがある、ということが⾔えます」と。



「私もすごく⻑い間デザインの仕事をしていますが、いまだに“え!これってデザインなんじゃないの?”って思うことが毎⽇あります」


「⻑年デザインの仕事をしているからって、私がデザインのことを全部わかっているなど、とんでもないのです。デザインってなんだ?といつも考え続けています」


そう仰る卓さんのお話を、子ども達も真剣に聞いていました。



Movie:佐藤 卓さんの貴重な子ども時代のお話も!

テレビ番組「デザインあ」の展覧会


「デザインってすごく⾯⽩い。そう思っているので、⼦どもの時から「デザインってなに?」と考えるきっかけを作れないかと考えて、NHKの⼈と話をして、テレビ番組「デザイン あ」を2011年からスタートさせました。」


そして佐藤卓さんは、この「デザイン あ」を展覧会に致しました。この展覧会は⼤変話題になりましたね。


卓さんはおっしゃいます。


「テレビは、家で⽬で⾒て、⽿で聴くものだけど、展覧会はそれだけじゃなく、触ったりとか匂いを嗅いだりとか、⼈間の持ついろんな感覚を使ってもらえる。

テレビ番組とは違う体験する場を⽤意できると思って、展覧会にしてみました」

展覧会でご⽤意された展⽰で、すごく⼩さいものから⼤きいものまで並べたお寿司の模型がありました。その例を採り上げ、話されたことは、「ちょうどいいって、なんだろう?」でした。

いくらの軍艦巻きがあって、⼀粒のいくら巻きから何百粒のいくら巻きまで並べてあります。果たしてその中でどれが「ちょうどいい」⼤きさなのか?ここで「ちょうどいいって、すごく重要」ということを伝えます。


デザインにおいて、「ちょうどいい」という加減がすごく⼤切である、ということです。いくら巻きだって、大きければいいわけじゃない。⾷べやすいちょうどいい⼤きさがある。




私たちが当たり前のように買ったり使ったりしているけど、⼈知れずそういうふうに「ちょうどいい」ものをデザインしている⼈がいる。そういうことを考えてもらう展⽰だったのです。

そして、展⽰されていた⾵呂敷のことにも触れます。来場者が⾃由に包めるように設置された⾵呂敷です。なんでも包める、何度でも使える⾵呂敷は、パッケージデザインの最⾼峰であると伝えます。


「昔からあるものって素晴らしいんです」


折り紙ができる展⽰のことも触れます。⼀枚の折り紙でいろんな形が作れちゃう。そこにはデザインのヒントがいっぱいある、と。




そういうことを改めて感じてもらう展⽰であったということを伝えます。


展覧会というものは、⼤体が展⽰物に触ってはいけないものですが、来ていただいた皆さんが参加できる展⽰、体験できる場をたくさんご⽤意された展覧会でした。




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